一方で、ルノーの要望を受け入れた日産の西川社長は、ボロレCEOが委員になっても「ルノーから日産に対する経営への関与が強まることはないし、絶対にやらせない」と強く主張。スナール会長、ボロレCEOは日産の取締役だが、日産とルノーの資本の見直しなど、利益相反となる場合「取締役会の議論から外れてもらうことで(双方が)理解している」と説明する。

その上で、西川社長は北米事業の収益率悪化で経営改革を進めるのと「並行して(アライアンスのあり方について)議論する」方針に転換し。Win-Winの精神に基づいて、お互いのメリットについて検討する考えを示した。「経営統合がいいと思っていない。(アライアンスにとって)将来何が1番いいかを話し合いたい」としている。

スナール会長は「(ルノーと日産の)経営統合の話は何ヶ月も前から出ている。これは日産の取締役会で決めるもので、私が決めることではない」と述べ、経営統合に固執しているわけではないとの考えを示す。

西川社長が明らかにした資本を含むアライアンスの見直しが、経営統合を目指すのか、対等の関係となるため、日産がルノーへの出資比率を引き上げるのかなど、その方向性は見えない。ただ、西川社長は、アライアンスの見直しを経営改革と並行して進める理由として「議論を先送りすると憶測をよんで(グループに)動揺が広がる懸念がある」と説明。しかし、議論の方向が見えないことから憶測が広がるのは必至の情勢だ。