日本交通科学学会(有賀徹会長・代表理事)は28日、「第54回日本交通科学学会総会・学術講演会」を首都大学東京南大沢キャンパス(東京都八王子市)で開幕した。今回は「技術革新で交通社会の安全を!」をテーマに29日まで2日間開催。講演会は自動車メーカー、大学をはじめ産官学の専門家60人超が登壇、交通事故防止に向けて研究、技術開発の最新成果や提言を発表する。

 総会・講演会会長を務めた松井靖浩理事(交通安全環境研究所主席研究員)は「交通事故から人の命を救うには医療、警察、工学各分野の『技術』の結集が必要だ。一人ひとりの命の重さを考えると、まだやるべきことが多い。本大会でぜひヒントを得てほしい」と述べ、交通事故の課題解決を目指し情報発信に取り組む意欲を述べた。

 同学会は1965年に「日本交通科学協議会」として発足。行政、医療、自動車工学の専門家らが参加し多角的な視点で交通事故の検証、予防、救命技術の確立などに取り組む。