自動車会社にいながらその15年間を大型のコンピューター相手に過ごした。主記憶は最初の32キロバイト、パンチカードと磁気テープで操る能力は、今なら手のひらからこぼれ落ちる程度の代物。この厄介物の反動で今はインターネットどころか時たまワープロをさわるだけ、携帯も受信用に持つだけで一向に痛痒(つうよう)を感じない。典型的なアンチデジタル人間である。代わ…