副題は「わが生涯の友、アンモニアとタンゴ」。京都大学工学部工業化学科を卒業後、住友化学に入社し、アンモニアプラントに半生をささげた著者の自分史である。著者の生まれは大正14(1925)年、第二次大戦後の復興期からアンモニアにかかわったのだから自分史でありながらひとつの産業史となるのが心憎いし、うらやましい。住友化学の前身、日新化学に昭和24年に入…