スズキは、独自開発のシリーズ式ハイブリッド車(HV)を2020年代後半、プラグインハイブリッド車(PHV)を30年ごろに投入する。PHVはシリーズ式ハイブリッド機構と電気自動車(EV)の技術を組み合わせる。日本やインド、欧州など各国の規制や需要に合わせ、電動車ラインアップを増やす。
9日に鈴木俊宏社長、加藤勝弘副社長らが技術説明会を開いた。
軽自動車など向けには開発中の48㌾ハイブリッドシステム「スーパーエネチャージ」を活用し、軽以上のモデルは車体サイズに合わせてシリーズ式HV、PHVを展開する。PHVにはシリーズ式ハイブリッドのシステムとEVの充電技術を組み合わせて用いる。
HVやPHV、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)燃料の普及をにらみ、エンジン開発も続ける。30年代前半には、ターボエンジンのシステムと一部を共通化したハイブリッド専用エンジン「DHE(デディケイテッド・ハイブリッド・システム)」を投入する計画だ。
加藤副社長は「(エンジンやハイブリッドシステムは)種類は多いが、開発をいかにシュリンク(縮小)させるかということに焦点を置いて取り組んでいる。マルチパスウェイ(全方位)といった時に手広く独立したものをやっているようでは勝負にならない」と話す。部品やシステム、製造工程を共通化し、効率的に多様なパワートレインを用意する考えだ。
インドや欧州ではトヨタ自動車のシステムを用いたHVやPHVを販売しているが、これらは今後も商品ラインアップとして継続展開する。
EVでは26年1月に「eビターラ」を国内に投入する。英国など一部の国ではすでに投入済みで、インドなどでも発売する予定。軽EVやAセグメントのEVも20年代後半に投入する計画だ。
国や地域に合わせたパワートレインを用意することで、幅広い需要に対応しながら、カーボンニュートラルを目指していく。



