スズキが8月5日に発表した2025年4~6月期決算は、主力のインドや欧州の販売台数の落ち込みに加えて為替影響もあり、売上高が前年同期比4.1%減の1兆3977億円、営業利益が同9.8%減の1421億円となり、5年ぶりの減収・営業減益だった。当期純利益は同10.7%減の1020億円で3年ぶりに減少した。通期見通しは、先行きが不透明として5月の公表値を据え置いた。
営業利益の変動要因では、売上構成変化(216億円)や原価低減(90億円)などが増益要因となったものの、為替影響(230億円)と原材料価格変動(43億円)、台数増減(98億円)が利益を押し下げた。
世界販売台数は、同3.8%減の75万4000台。主力市場のインドでは小型車の販売減により、同5.8%減の40万2000台となり、シェアは同2.3ポイント減の38.4%だった。また、欧州は同26.5%減と大幅に台数と落とした。一方、国内は登録車の販売増により同3.6%増だったが、軽自動車は伸び悩んだ。
通期業績と台数見通しは据え置き、売上高が同4.7%増の6兆1000億円、営業利益は22.2%減の5000億円、当期純利益は同23.1%減の3200億円。関税影響などの事業リスクで400億円を見込む。
決算説明会で岡島有孝専務役員は「(相互関税が)15%となると影響額は下がる見込みはあるが、政策などの不透明さは変わらず、関税による市場減速も織り込むことは難しい」と話した。