ソフトアイ社のテ・ウォン・リーCEO
TDKは6月19日、スマートグラス関連を手掛ける米スタートアップのソフトアイ社(テ・ウォン・リーCEO、カリフォルニア州サンディエゴ)を買収したと発表した。視線の動き(アイトラッキング)で、AIとコミュニケーションできる新しいヒューマンマシンインターフェース(HMI)の実現などにつなげる。買収額は1億ドル(約150億円)以下とみられる。
ソフトアイは、スマートグラス向けのカスタムチップやカメラ、ソフトウエア、アルゴリズム(計算手順)を開発している。買収により、ソフトアイはTDKの完全子会社となる。
ソフトアイのリーCEOは、クアルコムなどを経て2022年に同社を起業。同社のチップやセンサーシステムは、低消費電力で高度なアイトラッキング(視線追跡)や物体認識ができるとしており、リーCEOは「私たちは、ユーザーと生成AIをつなぐAIグラス向け技術を開発しており、これは人々とAIをより直感的かつ魅力的なユーザー体験で結びつけることができ、TDKのスマートグラスに関する戦略と合致する」としている。
TDKは、網膜に直接映像を投影できるスマートグラスや、デバイスに使える電池などの技術があり、今回の買収を通じてAIやスマートデバイス関連のソリューションを拡充する狙いだ。