黒田精工は、空飛ぶモビリティ向けモーターコアを4月に発売したと発表した。高磁束密度かつ高透磁率、低鉄損の新素材を採用し、小型軽量化しつつ高い出力を確保した。
鉄とコバルトの合金であるパーメンジュール材を採用した。一般にモーターコアに使用される電磁鋼板やアモルファスに比べて小型軽量化、高出力化を実現し、長時間飛行に際して軽量性が求められる電動垂直離着陸機(eVTOL)などに最適化した。
パーメンジュール材の性能を確保するためには焼鈍工程が必要だが、従来は焼鈍後の単板の積層技術がなく、量産が困難だった。同社は独自の高速型外接着積層技術を開発して実用化に結び付けた。
自動車向けモーターコアとしての実用化例は皆無ではないが、「空飛ぶモビリティ関連の用途が中心」(広報担当者)としている。