ミスミグループは、工場で使用する間接材の販売サービス「MISUMI floow(ミスミフロー)」を始めたと発表した。顧客の利用頻度や傾向を分析し、需要に応じて工場内に設置した自動販売機などを経由して間接材を供給する。同社によると、間接材の発注から在庫管理にかかる時間を従来から7割近く減らせるという。生産性の向上につながるサービスとして売り込んでいく。

 ミスミフローは、手袋やマスク、生産設備の留め具といった間接材の発注から、補充、在庫管理をトータルで提供する。利用頻度が高い間接材は、工場内に設置した自動販売機にミスミが直接、納入する。利用者の確認には顔認証システムを用いるほか、在庫状況をリアルタイムで遠隔監視することで品切れなどをなくす。同社によると、このようなサービスは日本初という。

 設備の導入やサービスの利用は無料とし、ミスミ側は供給した間接材の販売で収益を得る。導入先としては従業員が100人以上の量産工場を想定しており、すでに自動車部品などの約50工場で導入が決まっている。導入目標は非公表だが「国内の市場規模としては年間で数千億円規模を見込む」(同社)とする。

 中国では同様のサービスを2020年から提供しており、これまでに約450工場に導入した。26年以降にはアジア太平洋地域でもサービスを始める予定だ。