仏教発祥の地であるインド、そして伝来の経由地である中国にも「お彼岸」なるものは存在しないという。諸説あるが、日本古来の先祖崇拝が仏教と融合し、平安時代に貴族の儀式となり、江戸時代には庶民の風習として広まり現在に至る◆迷いの世界である現世、つまり「此岸(しがん)」を超えると、悟りの境地である彼岸に到達できるというのが、仏教の教えである。凡庸な人間か…