旧ビッグモーターから中古車事業を引き継いだウィーカーズ(田中慎二郎社長、東京都千代田区)は2月20日、伊藤忠エネクス社長の吉田朋史氏(68)がウィーカーズの代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)に内定したと発表した。2025年6月の株主総会後に正式に就任する。田中社長はそのまま続投する。関係者によると「伊藤忠商事のグループ経営体制を強化し、ウィーカーズの成長スピードを加速させるのが目的」としている。
吉田氏は元伊藤忠商事副社長(住生活カンパニー担当)で、社長候補の一人だった。同社副社長から2022年5月に子会社の伊藤忠エネクスに転じ、23年4月に社長に就任した。その直後の23年7月に旧ビッグモーターの自動車保険金の不正請求が表面化し、同社の経営が悪化した。同社を買収して新事業を展開するべきだと、伊藤忠商事の岡藤正広会長兼CEO(75)に進言したのが吉田氏だった。
24年9月に発行された伊藤忠エネクスのアニュアルレポートでは、当時を振り返り「(買収に)行くぞと決めた。インスピレーションだった。挑戦しなければ何も得られない。中古車業界に変革を起こす」と語っていた。ウィーカーズが発足した24年5月以降も、現在の経営陣がアドバイスを求めていた。
吉田 朋史氏(よしだ・ともふみ) 1979年慶応義塾大学商学部卒、同年4月伊藤忠商事入社。2019年4月代表取締役副社長執行役員、22年5月に伊藤忠エネクスに移り、23年4月から現職。1956年9月生まれ、68歳。東京都出身。