日産自動車がホンダとの経営統合に向けた協議を打ち切る方針を固めたことが分かった。ホンダが日産に提案した子会社化に対する反発が強かった。2月6日午前中にもホンダの経営陣に伝える。歴史的な経営統合が幻に終わる可能性が高まってきた。

日産は、5日に開いた取締役会で方針をまとめた。経営統合を進めるべきとする意見もあったが、ホンダの子会社化に対する反発が強く、統合を断念する方向になったもようだ。

ホンダと日産は昨年12月、経営統合に向けた基本合意書(MOU)を締結。日産の経営再建を前提に1月末に統合の方向性を決める予定だったが、再建策がまとまらず、協議が難航していた。このため、ホンダは経営再建や協業のスピード感を高めようと、当初予定していた持ち株会社に両社が連なる枠組みではなく、日産を子会社化することを打診していた。

経営統合が破談となった場合でも、現時点では両社ともに電池やソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)などでの協業は継続したい意向。莫大なコストがかかる次世代車の開発や生産でスケールメリットを創出しなければならないためだ。

ただ、統合議論により大きく深まった溝を埋め合わせ、円滑に協業を進めるのは容易ではない。経営再建中の日産だけではなく、ホンダも新たなパートナーを探す必要が出てきそうだ。

日産とホンダは5日、経営統合の方針について「2月中旬をめどに正式に発表する予定」と改めてコメントした。