ホンダが日産自動車の株式を取得して子会社化することを日産に打診したことが2月4日、わかった。ホンダと日産は、持ち株会社を設置し、両社を傘下に連ねる計画だった。ホンダは、経営の主導権をより明確に握ることで、日産の経営再建のスピード感を早め、協業を迅速に進める狙いがあるとみられる。ただ、対等な経営統合を望んできた日産側の反発は必至で、調整が難航する可能性もありそうだ。

ホンダと日産は12月に経営統合に向けた検討を開始。日産が具体的な経営再建策をホンダに示した上で1月末にも協議を本格化する予定だった。ただ、経営再建策の調整に時間がかかり、判断時期を2月中旬に遅らせていた。日産の経営再建とその後の協業を迅速に進めるため、子会社化を選択肢の一つに加えたもようだ。日産の時価総額は約1兆5000億円。

4日夜、報道陣の取材に応じた三部敏宏社長は「子会社ということを具体的に決めているわけではない。一部報道で出ていたが、いろいろ話をしているだけだ」と述べた。