マツダの毛籠勝弘社長は10日、「東京オートサロン2025」のプレスカンファレンスでロータリーエンジンが米国の排ガス規制に対応できる見通しが立ったことを明らかにした。現状では基準を満たさないため、発電用のロータリーエンジンを搭載したモデルは米国で発売していない。レシプロエンジンの「スカイアクティブX」や、開発中の「スカイアクティブZ」で培った高効率な燃焼技術を駆使し、排ガス性能を高める。今後、耐久劣化試験などを進め、米国での展開に備える。

 毛籠社長は、「最難関の北米ミッションへの適合ロードマップを手に入れられるなど手応えを感じている」と語った。ロータリーは混合気をきれいに燃やし切ることが難しく、レシプロエンジンと比べて排ガスが出やすい。燃焼技術を高め、特に排ガスが汚れやすい冷間時でも触媒ヒーターを使用せずに規制に適用できる技術にめどをつけた。

 プレスカンファレンスではこのほか、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)燃料の活用による二酸化炭素(CO2)排出量の削減効果やCO2回収技術の開発状況についても紹介。毛籠社長は「エンジンをあきらめない」と改めて強調した。