11日に自民、公明、国民民主の3党がガソリン税の暫定税率廃止で合意したことを受け、自動車業界関係者らが車体課税の抜本見直しに向けた議論への影響の確認に追われている。同じ自動車関連諸税である燃料課税と車体課税はこれまで2026年度改正で本格的に議論する見通しだった。自動車関連諸税全体で減税分を増税分でまかなう「税収中立」を確保しようという〝力学〟が働けば、業界が要望する車体課税の負担軽減の道が遠のく可能性がある。
「急にこのような合意になったことに驚き。合意文書の意図するところを確認したい。(課税根拠を失った)暫定税率が残るのは車体課税も同じだ」(自動車メーカーの渉外担当幹部)。ガソリンの暫定税率廃止で3党の幹事長が合意したことに、業界関係者らは驚きを隠さない。
自動車関連諸税の見直しをめぐっては、衆院選で大幅に議席数を増やした国民民主がガソリン税の暫定税率廃止を年内に結論付けることを求める一方、支持母体の自動車総連を含む自動車業界が車体課税と燃料課税を一体で見直すことを求めてきた。
11月に閣議決定した総合経済対策では「自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る」と明記されていた。11日の合意前までは、別の自動車メーカーの渉外担当は「与党税調から理解を得られている」、自動車総連は「国民民主党も分かってくれている」と認識を示していた。
自動車業界は来年の本格議論に向けて車体課税の抜本見直しへの方向性を今年の税制改正大綱でまず〝ピン留め〟したい考え。