JDパワージャパン(山本浩二社長、東京都港区)が発表した「2024年日本自動車セールス顧客満足度調査」によると、国産量販ブランドでマツダが首位となった。23年まで3年連続でトップだった日産自動車は、2位に後退した。上級ブランドではレクサスが4年ぶりの2位となり、1位をBMWに譲った。総合満足度の調査平均スコア(1千㌽満点)は720㌽で前年と同じ。しかし、新車の納期遅れに不満を持つユーザーが目立っていた前回調査は22年比で13㌽も低下しており、顧客の評価はいまだ回復の途上にあるとも言えそうだ。

 同調査はディーラー店舗の顧客満足(CS)に影響を与える要因として、①納車②店舗施設・サポート③商談④契約手続き―の4つの評価項目を設定し、スコアを算出した。最低評価は納車の709㌽だったが、前年と比べて4㌽増加している。

 セグメント別では、国産量販ブランドの平均スコアが同1㌽減の715㌽だった。これを上回ったのはマツダと日産、スバル、ホンダの4ブランド。トップのマツダは4項目すべてで最高評価を受け、747㌽を獲得。前年から順位を1つ上げた。また、23年調査で4位のトヨタ自動車は6位となり、平均値に届かなかった。

 上級ブランドは対象ブランドが5から4に減った。平均スコアは、同5㌽増の776㌽で、1位のBMWは商談で最高評価を得て783㌽を獲得した。2位のレクサスも平均を上回った。

 また、今回の調査で、新車購入時に検討したエンジンタイプの割合が初めて、ハイブリッド車(HV)がガソリンエンジン車を抜いた。HVは同3㌽増の60%だった一方、ガソリン車は5㌽減の57%となった。電動車ではプラグインハイブリッド車(PHV)が同3㌽増の14%だったものの、電気自動車(EV)は前年と同じ10%。JDパワーでは「EVの需要は一旦落ち着きをみせている」とした。ただ、燃料価格が高騰していることもあり、比較的手が届きやすいHVやPHVが「今まで以上に脚光を浴びてきている」と分析した。

 加えて、HVとPHVを検討するユーザーは、ガソリン車に比べてメーカーや販売店のウェブサイトのほか、SNS(会員制交流サイト)、ニュース・情報サイトなどのデジタル情報を参考にした割合が高かったという。SNSを参考にした割合はHVを検討するユーザーで13%、PHVが17%となり、それぞれ5㌽増加した。JDパワーは「カタログ・パンフレットといった紙媒体だけではなく、デジタル情報の発信強化が今後の鍵になっていくのでは」と指摘している。

 さらに、販売店の展示車や試乗車を参考にした割合はガソリン車を検討するユーザーが39%だったのに対し、HVは43%、PHVは47%と高かった。電動車では「実車を確認することの重要性も浮き彫りになっている」としている。

 また、商談時の試乗について調べており、「運転時の車の大きさ・サイズ感が確認できた」(46%)、「走行性能が確認できた」(36%)との声が多かった。ただ、先進運転支援システム(ADAS)などの搭載が増えており、商談の満足度と試乗の関係では「車の機能/搭載技術がわかった」とする評価が多かった。JDパワーは「具体的な機能とその利便性を体感できるよう試乗内容を充実することが有効」と指摘している。

 同調査は5~6月にかけてインターネットで実施し、7110人から回答を得た。新車購入後2~13カ月が経過した国産と輸入車ブランドの乗用車ユーザー(18歳以上)に、購入時のディーラーの対応の満足度を調査した。今回で23回目となる。