オリックス自動車は4月26日、13の言語に対応した翻訳機能付きディスプレーを「オリックスレンタカー新千歳空港店」に導入した。話すと相手の言語に訳した文章が透明なディスプレーに映しだされるもので、通常の会話のように相手の表情を見ながら使えるのが特徴。試験導入を経て、外国人利用が多い全国の店舗への設置を検討していく考えだ。

TOPPANの窓口業務に特化した音声翻訳ディスプレーを全国のレンタカー店舗として初めて導入した。利用初日となった26日は、台湾からの観光客などが来店。ディスプレーには、スマートフォンのメッセージアプリのように翻訳された文章が交互に表示され、店員と客が笑顔で会話していた。

この日、音声翻訳ディスプレーを初めて使用した同店の下野祐介さんは「すごく使いやすかった。携帯型の翻訳機よりも翻訳までの時間が短く、スムーズに接客できた」と笑顔。平井慶太店長代理は「相手の表情を見ながら接客できるので相手にどの程度伝わったか把握しやすい」と接客の質の向上に手応えを感じていた。試験導入は5月10日まで続け、同17~30日には、沖縄県那覇市の「美栄橋駅前店」でも使い勝手を確かめる予定だ。

同店では現在、レンタカー貸し出しの1割が外国人。英語に対応できるスタッフが3人勤務し、常時1~2人が店舗にいる状態にしている。今後も外国人利用の増加が見込まれることや英語圏以外の利用者が増えていることから、音声翻訳ディスプレーを試験的に導入。「どの程度利用者満足度が上がるのかなどを確かめ、他の店舗への導入も検討したい」(広報)という。

道内の外国人レンタカー利用数は急増している。北海道地区レンタカー協会連合会の調べによると、2023年度は約9万7千台で、前年と比べて3倍以上に増えた。コロナ禍前の19年度の約9万9千台と比べても、そん色ない台数にまで回復しており、今後はさらに利用が拡大していく見通しだという。

外国人利用数を国別にみると、台湾が22.0%で最多。次いで韓国20.7%、香港17.8%、シンガポール9.6%、タイ7.5%とアジアからの利用者が多い。

(2024/4/30更新)