日本自動車教育振興財団(JAEF、内山田竹志理事長)は、2024年度の事業計画を公表した。工業高校の教育支援では過去最高となる前年比10校増の120校への教材提供を計画する。提供品目には、電動化技術に対する理解促進を狙い、新たに自走可能な「EVミニカー・キット」=写真=を追加した。さらに自動車メーカーの工場や施設で教員向けに技術、交通安全の講習会を実施する。コロナ禍以降、団体の賛助会費が減額され厳しい状況が続くが、効果的な活動に取り組み、自動車業界の将来を担う人づくりへの貢献を目指す。

 今期は、自動車・機械系に限らず多様な学科の生徒が自動車技術への興味・関心がわくように「観て触れて聴いて」学べる支援を展開する。教材提供は15県で予定。このうち7県では贈呈式・懇談会を自動車販売会社の店舗・工場で行い、最新の業務環境の周知につなげる。自動車の最新技術を解説する講師派遣では、講師紹介などを盛り込んだPR動画を作成し利用拡大を図る。講師派遣も過去最多となる前年比41件増の380件を計画する。

 調査・啓発事業では「物流分野」と「搬送分野:〝コストシェア型〟ライドシェアサービス」をテーマに国内調査を実施。海外調査では、米アリゾナ州で自動運転タクシーの課題を調べる予定だ。

 JAEFは賛助会費の減額を受けて分解組立型電気自動車を使う実地講習や教育動画の作成などを中止した。今後は「高校生らの自動車業界への興味を喚起する」という同財団の役割の重要性を改めて訴求し、支援の拡大につなげていく。