出光興産と三井化学は、2027年度に千葉地区にあるエチレン装置の一部を停止すると発表した。出光の装置を停止した上で三井の装置に集約し、両社が共同運営する方式への変更を検討する。

 中国を中心に大型石化装置の新・増設や日本国内のエチレン需要の低迷で、両社の千葉地区にあるエチレン装置の稼働率も低迷している。脱炭素社会を見据えた次世代コンビナート構築が求められる中、千葉地区のエチレン装置を集約、生産の最適化を図る。

 検討内容では、27年度に出光が保有するエチレン装置を停止する一方で、三井のエチレン装置は出光と三井で共同運営する。これによりエチレンの供給体制を維持しながら稼働率を高めていく考えだ。

 出光はエチレン装置の原料であるナフサを化石由来から持続可能なカーボンニュートラル燃料「SAF」の副産物であるバイオナフサや、使用済みプラスチックを原料とするケミカルリサイクル由来のナフサに転換し、集約後のエチレン装置に供給することを検討する。

 三井はエチレン装置を共同運営にすることで、地域連携と他社連携を拡大し、コンビナートの競争力強化とグリーン化を推進する。