最新のクルーザーやボートなどが勢ぞろいした
横浜ベイサイドマリーナにも会場が設けられた

 マリン業界でも電動化やカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)への対応が進む。「ジャパンインターナショナルボートショー2024」(21~24日、パシフィコ横浜など)では、トヨタ自動車やホンダ、スズキ、ヤマハ発動機などが開発中の技術や市販製品などを披露した。自動車の駐車技術を応用した機能など、自動車業界の技術も生かされているようだ。

 日本マリン事業協会によると、マリン関連製品の国内市場規模は2022年で約289億円。13年は約163億円だったため、約10年で8割近く伸びた格好だ。

 電動化技術で目立ったのには電動船外機だ。ホンダ、スズキ、ヤマハ発などが開発中の製品を紹介した。ホンダのブースでは、松江城(島根県松江市)の堀で運航する遊覧船の取り組みを実物モデルなどを用いて紹介した。開発中の電動船外機には「ホンダモバイルパワーパックe:」を搭載する。スズキもジャパンモビリティショーでも展示した電動船外機のコンセプトモデルを展示した。

 トヨタ自動車は、スマートフォンやスマートウォッチで操船できる技術を参考展示した。前進や後進、旋回などの基本動作が手元でできる。実用化は未定だが、担当者は「反響が多ければ今後、実用化も検討したい」と語った。

 ヤマハ発は、水上バイクの艇体に使用されているFRP(繊維強化プラスチック)素材の一部を植物由来に置き換えた試作機を展示した。マリン事業本部の吉田竜也国内事業推進部長は「早期の実用化に向けて開発を進めていきたい」と語った。

 会場はパシフィコ横浜のほか、横浜ベイサイドマリーナ(横浜市金沢区)でも開かれ、会場に係留されているボートを見学する場も設けられた。