豊田中央研究所は、資源の制約が少ない「リチウムマンガン酸化物」の結晶構造を制御することで、電池の長寿命化・高容量化を実現できることを実証したと発表した。供給途絶リスクのあるコバルト、ニッケルを使用しない高性能リチウムイオン電池の正極材として注目される。

 結晶格子間のすき間に非金属元素のホウ素を導入することで、結晶構造が安定し、繰り返し使用しても容量を維持できる。同様に、リンを低濃度で導入することで、リチウムイオンの吸蔵・放出量が増え、高いエネルギー密度を実現する。研究成果は昨年10月に論文で公表された。