トヨタ自動車は5日、プライムアースEVエナジー(PEVE、岡田政道社長、静岡県湖西市)を3月下旬に完全子会社化すると発表した。パナソニックホールディングス(HD)が保有するPEVEの株式(19.5%分)を全て取得する。取得額は非公表。完全子会社化により、需要が拡大する電池の供給力と量産の競争力を高める狙いだ。時期は未定だが、PEVEの社名変更も検討するという。
PEVEは1996年にトヨタとパナソニックHDの出資で設立した電池会社。当時、トヨタの出資比率は40%だったが、2005年に60%、10年に現在の80.5%と出資比率を高めてきた。
これまでPEVEはハイブリッド車(HV)用電池の開発や生産を手がけてきたが、直近では事業領域を電気自動車(EV)用にも拡大。湖西市には現在、大規模な電池工場を建設中で、このうち第3工場はEV専用工場として26年に稼働させる計画だ。
トヨタはPEVEのほかにも、パナソニックHDとの共同出資会社であるプライムプラネットエナジー&ソリューションズでEV用、プラグインハイブリッド車(PHV)用、HV用の電池を、豊田自動織機でHV用電池を量産している。完全子会社化するPEVEをはじめ、グループの電池調達網を整備し、電動化の加速に対応する。