日米欧でハイブリッド車の販売が好調だ

 トヨタ自動車は6日、2024年3月期の連結業績見通しを上方修正した。主に車種構成の改善や値上げ効果、為替変動を踏まえ、売上高に相当する営業収益は前回発表(23年11月)から5千億円増の43兆5千億円、営業利益は4千億円増の4兆9千億円に引き上げた。一方、連結販売台数見通しは、ダイハツ工業などの認証不正に伴う生産停止影響を踏まえ15万台減の945万台とした。

 連結台数見通しは引き下げたものの、トヨタとレクサスの小売り台数見通しは据え置く。記者団の取材に応じた宮崎洋一副社長は「すべての地域でハイブリッド車(HV)の台数が伸びている」と説明し、高収益車種の販売構成が高まったことを上方修正の理由に挙げた。

 通期営業利益見通しの増減要因は、前回見通しから台数や車種構成の変化による「営業面の努力」で2800億円、「原価改善の努力」で1500億円を上乗せした。特に販売面では、北米の営業利益が同11倍の5525億円となることが大きい。宮崎副社長は「在庫の回転率が上がり、丁寧に販売することで値引きやインセンティブ(販売奨励金)を使わずに販売できた」と語った。

 上方修正要因としては為替の影響も大きい。今回、ドル円の想定為替レートを従来の1ドル=141円から143円に見直したことなどで「為替影響」が前回見通しから2350億円プラスになった。

 23年4~12月期の連結業績実績は、営業収益が前年同期比23.9%増の34兆227億円、営業利益は同2倍の4兆2402億円と過去最高を更新した。営業利益は、販売台数の増加などの営業面の努力で1兆9900億円、為替影響で3800億円のプラス効果があった一方、資材高騰などのマイナス影響も3700億円あった。

 連結販売台数は同12.4%増の729万5千台。日本、北米、欧州がそろって2桁増だった。特にHVの小売り台数は同37.9%増の264万6千台となり、電動車比率は35.9%と前年同期から8・1㌽上昇した。