総合2位に返り咲いた「ヤリス」

 2024年4月の車名別新車販売(登録車と軽自動車の合計)は、ホンダ「N―BOX(エヌボックス)」が9カ月連続の首位だった。2位にはトヨタ「ヤリス」が4カ月ぶりに返り咲いた。4月の新車販売全体は前年同月に比べ1割減となり、4カ月連続で前年割れが続く。一方、4月の車名別では上位10車種中、7車種が2桁を超える伸び幅だった。ダイハツ車の販売減などで全体では前年比マイナスが続くが、人気車種の需要は依然として底堅いようだ。

 日本自動車販売協会連合会(加藤敏彦会長)と全国軽自動車協会連合会(赤間俊一会長)が8日、車名別販売台数をそれぞれ発表した。1位のエヌボックスは前年を割り込んだものの、微減にとどまった。ヤリスは24年1月の一部改良効果で前月の4位から2位に浮上。首位のエヌボックスとの差は約1200台になった。堅調な受注が続けば、今後の単月実績でトップを狙える位置につけている。

 上位10車種では、ホンダ「ヴェゼル」の伸び幅が最も大きかった。車両供給が安定したこともあり、前年同月比で約2.6倍となり、前月の13位から6位に順位を上げた。

 登録車ランキングでは、ヤリスが4カ月ぶりに首位に立った。24年1月から3月まで首位だったトヨタ「カローラ」は同約2割増と堅調だったものの2位に後退した。登録車では上位10車種中、7車種がトヨタ車だった。

 軽のランキングでは、新型車効果で同25%増のスズキ「スペーシア」が2位に入った。軽SUV「ハスラー」も8割超の伸び幅を記録した。ダイハツ車の出荷停止によって、軽ユーザーの一部がスズキに流れたと見られる。

 一方、ダイハツ車の販売は正常化に向かい始めた。2月下旬に生産を再開した軽乗用車「ミラ」の4月の届け出台数は前年同月比39.4%減の3360台となり、同53.7%減だった前月から落ち込み幅が10㌽以上、改善した。ダイハツは生産再開車種を順次、増やしており、5月以降は販売台数がさらに回復していく見通しだ。