オープンキャンパスの会場では留学生の姿が目立った

整備士教育の現場では2023年、外国人留学生が注目の的となった。ここ数年、多くの整備専門学校で留学生専用学科の設置や定員を拡大する動きが目立つ。それでも、24年春の入学の留学生を対象にした入試には多くの出願があり、途中で募集を打ち切る学校が相次いだ。コロナ禍による入国制限が響いたことで23年春入学の留学生が落ち込む学校が目立つ中、急激な回復ぶりに多くの学校関係者が胸をなで下ろしている。

各校が催したオープンキャンパスでも、例年以上に外国人留学生の姿が多かった。トヨタ神戸自動車大学校(鈴木二郎校長、神戸市西区)では、留学生の参加者が前年の約3倍になったという。留学生はまず日本語学校に通ってから、専門学校に進学するケースが多い。さまざまな道を選べる中で、整備士は留学生にとって根強い人気があることを裏付けている。

こうした流れの中で、一人でも多くの留学生を招こうと、各校は積極的な取り組みを行っている。日産京都自動車大学校(川嶋則生校長、京都府久御山町)は24年春入学の留学生学科の定員を、80人に倍増。3年間で無理なく学べるようカリキュラムも見直した。トヨタ神戸自大も、留学生学科の定員を当初の80人から西日本の整備学校で最大級となる110人に増員。YIC京都工科自動車大学校(京都市下京区)も定員に達した留学生学科で、追加募集を実施することを決めた。24年度に留学生学科を新設する越生自動車大学校(市川剛士校長、埼玉県越生町)も、すでに定員を満たしているという。

一方で、留学生学科を設置していても、現時点で応募が定員に届いていない学校があり、学校間で差が生じているのも事実だ。ただ、少子高齢化が進む国内では、日本人学生の取り合いが今後激しくなるのは間違いない。整備士への高い意欲を持つ留学生を一定程度、確保していくことはこれからの整備業界を支えていく上でも重要になるとみられる。留学生確保へ今後も各校の創意工夫が引き続き求められそうだ。

(諸岡 俊彦)