長期間にわたるストを続けてきた米国3社の組合員
全米自動車労組(UAW)は30日、ゼネラル・モーターズ(GM)との労使交渉が暫定的な合意に達したと発表した。契約期間中の25%の賃上げなどで暫定合意した。正式に労働協約を改定して発効するためには組合員の承認が必要だが、手続きの期間中もストライキを中止し、職場復帰するという。すでにフォード・モーター、ステランティスとも暫定合意に達しており、米自動車メーカー大手3社に対してUAWが1カ月半続けてきたストライキは収束に向かいそうだ。
UAWによると、基本給を25%上げるほか、熟練労働者に対する最大33%の賃金アップや退職者への一時金2500㌦(約37万円)などでGMと暫定合意した。UAWは「3社との協約はいずれも記録を塗り替え、当組合の団結を強化するものだ」と声明を出した。
9月15日にUAWが米3社の工場で開始したストは、段階的に対象の生産拠点を拡大し、10月下旬には参加者ベースで組合員4万5千人規模に増えた。GMは24日に発表した決算で、スト1週間あたり2億㌦(約299億円)のコストが発生するとして2023年12月期の業績見通しを取り下げていた。