賃上げを求めるUAW組合員ら

 米自動車メーカー大手3社の従業員が加盟する全米自動車労働組合(UAW)は15日、労使交渉が決裂したことを受けてストライキに入った。UAWは3割以上の賃上げなどの待遇改善を要求したが、妥結できる水準の回答を期日までに得られなかった。米3社の従業員が一斉にストを決行するのは初めて。現時点では1社当たり1工場が対象だが、ストが拡大すれば、米国経済や自動車市場に大きな影響を与えることになる。

 UAWとゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、ステランティスの3社は4年ごとに労働協約を改定している。今年は改定年で14日が改定期日だった。

 協約の改定に向け、UAWは過去4年で3社が得た利益水準や米国のインフレ率を踏まえ、当初40%の賃上げを要求。現地報道によると、UAWはその後、30%台の要求に変更し、会社側も20%程度の賃上げで回答したが、最終的に折り合いがつかなかった。

 15日時点でストの対象になったのはGMのミズーリ州の工場、フォードのミシガン州の工場、ステランティスのオハイオ州の工場。UAWは「必要であれば全面的な労働停止にまでエスカレートさせる」としている。