大阪での商談会の様子

 台湾貿易センター(TAITRA)は、台湾から製品・部品の調達を希望する日本企業向けに「台湾精密加工部品/ハイエンド金属製品・ハンドツール調達商談会」を、東京、名古屋、大阪の3カ所で開催した。自動車や半導体、航空宇宙産業など幅広い業界から台湾を代表する企業が来日し、今年は過去最大となる約100社が参加した。このうち、約40社が自動車部品を手掛け、自動車メーカーや部品メーカーの担当者らが商談に訪れた。

 9月25日(東京)、27日(名古屋)、28日(大阪)の3日間行われた商談会は、日台のビジネスマッチングの場として今回で11年目。回を重ねるごとに出展企業、来場者ともに増え続け、日本企業からの注目度も高まっている。

 今回の商談会を担当した廖美智氏(産業拓展處副處長)は、「昨今のEV(電気自動車)化の進展を受け、自動車メーカーをトップにティア1、2と続く構造が変化しつつある。これまで日本市場への参入が難しかった台湾企業でも、参入のチャンスが広がってきた。台湾企業はICT(情報通信技術)に強みを持ち、顧客の要求に対しフレキシブルに対応できる。台湾企業と日本企業が交流できるプラットフォームとして、開催を継続していく」と意欲を示した。

 台湾国内は自動車市場としては決して大きくないが、部品を手掛ける企業は、品質やコストで競争力を持ち、欧米を中心に販路を拡大してきた。一方で、日本市場への参入や企業との協業は廖氏が指摘するように苦戦してきた過去がある。出展企業からは「商慣習の違いなどから、直接の取引に消極的」との声が挙がったほか、用途が幅広いギアなどは、「商談機会がないと、自社の部品がどこにニーズがあるのかつかみにくい」という話も聞かれた。

 廖氏は、コロナ禍で活動が制限されたことを振り返り「対面での交流の重要性を実感した」と話す。TAITRAは7月に台湾企業とともに日本の自動車メーカーや大手部品メーカーを訪問し、関係構築に取り組んできた。

 今後、TAITRAが11月9~11日に東京新宿住友ビル三角広場(東京都新宿区)で初開催する台湾エキスポのほか、同月28日~12月2日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されるIPF Japan 2023(国際プラスチックフェア)への台湾企業の出展を予定しており、日本企業へのアピールを強化していく考えだ。