ソニーセミコンダクタソリューションズは、業界最多水準の有効画素数1742万画素の車載カメラ向けCMOSイメージセンサー「IMX735」を開発したと発表した。車載カメラで高度な検知・認識性能を実現し、自動運転・先進運転支援システム(ADAS)の高度化につながるとしている。
新しいCMOSイメージセンサーは有効1742万画素を実現したことで、遠方の対象物を高精度にとらえることが可能になる。
一般的なCMOSイメージセンサーは画素から出力される信号を1行ずつ垂直方向に読み出すが、新製品は1列ずつ水平方向に出力する方式を採用。このため、新しいイメージセンサーを搭載したカメラは、水平方向にレーザーを走査するメカニカルスキャン方式のLiDAR(ライダー、レーザースキャナー)と同期しやすいため、自動運転車の検知・認識能力の向上につながる。
また、独自の画素構造と露光方法によって飽和照度を改善し、逆光などの条件下でも白飛びを抑制し、トンネル出入り口などの明暗差のある場合でも対象物を正確に把握できるとしている。
9月からサンプル出荷し、量産までに自動車の信頼性試験基準「AEC―Q100」のグレード2を取得する予定。機能安全規格「ISO26262」準拠した開発プロセスを導入し、自動車用安全水準「ASIL―B」に対応する。サンプル価格は3万円。