延長保証の対象車種のEV「アイオニック5」

 ヒョンデモビリティジャパン(趙源祥社長、横浜市西区)は、タクシー事業者向けの電気自動車(EV)専用延長保証プログラム「ヒョンデEVタクシー延長保証」の提供を開始した。同プログラムに加入した車両の部品交換や修理の保証範囲を購入後5年間もしくは30万キロメートルに拡大する。駆動用電池のモジュール交換も保証する。政府が2030年までにタクシー車両の40%をEVなどの〝環境車〟に切り替える計画を打ち出しており、こうした施策を追い風にEVタクシーの拡販を進めて事業基盤の強化につなげる。

 同延長保証は14日に導入。タクシー事業者がヒョンデのEVを新車で購入する際、同社は購入後3年間もしくは走行距離10万キロメートルまで保証するプログラムを付帯する。延長保証はこれにサービス内容を追加するもの。同社によるとタクシーの耐用期間は3~5年で、走行距離30万キロメートルが車両入替の目安だという。延長保証の対象範囲はこれを基に設定した。延長保証の料金は、新車の初度登録から60日以内は29万7千円。61日から初回車検までは37万7850円とする。

 駆動用バッテリーについては、新車に搭載されていたものは容量が70%を下回った場合に無償で修理・交換。使用環境に伴う経年劣化などによる容量低下を保証するものではなく、駆動用高電圧バッテリーの故障が発生した場合において、バッテリーアッセンブリ内部のモジュール交換による修理を保証するものとする。

 同社は今後、タクシー事業者から定期的に「走行距離」「充電頻度」「バッテリーSOH」「平均車速」などの走行データを収集した上で、タクシー延長保証が実態に即して運用できるよう制度を見直す。基本的には保証期間や保証走行距離、保証部位の拡張を検討していく考えだ。