ルネサスエレクトロニクスは、セルラーIoT向け4G/5Gチップやモジュールを手がけるフランスのシーカンス・コミュニケーションズを買収することで合意したと発表した。ルネサスは買収してIoT(モノのインターネット)などの広域通信網に参入し、幅広いデータ通信速度のニーズに対応する。
ルネサスはシーカンスの発行済み全株式の取得に向けて公開買い付けを実施する。米国預託株式1株当たり3.03ドルで買い付ける。買収完了後、ルネサスはシーカンスのセルラーIoTのコネクティビティー製品や知的財産権を取得して、主力製品のラインアップを広げる。同時に、短距離通信網、構内通信網関連のコネクティビティー製品群を拡充していく。
シーカンスが手がけるセルラーIoT技術の関連市場は、スマートシティー、コネクテッドカー、固定無線アクセスネットワーク、モバイル機器の需要にけん引され、急成長している。
ルネサスはダイアログなど複数の企業買収で提供するコネクティビティー製品を拡大している。シーカンスとは2020年から協業しており、ルネサスの組み込みプロセッサーやアナログ製品とシーカンスのワイヤレスチップセットを組み合わせたシステムを、大規模IoTやブロードバンドIoT向けに提供している。
ルネサスは24年1~3月期までに株式の取得を完了する予定。