科学技術振興機構(JST、橋本和仁理事長)が主催する国内最大級の産学連携イベント「大学見本市2023~イノベーション・ジャパン」が24日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。コロナ禍を経て4年ぶりの対面開催となった。「大学等シーズ展示」には全国125の大学などが276件の技術シーズを出展した。会期は25日まで。

 シーズ展示では、複数の大学などが電気自動車(EV)や自動運転車などへの活用を想定した研究事例を紹介した。九州大学は、機械学習を利用したレーザー溶接機と制御システムを披露した。電動車用モーターやバッテリー製造への活用を想定する。熊本大学は、研究段階にある「高強度・高延性マグネシウム合金」を出展し、車両の軽量化に寄与するとアピールした。

 また、大学などの研究開発成果をもとに起業したベンチャーや、その成長を後押しした大学や企業を対象とする「大学発ベンチャー表彰2023」の表彰式も行われた。

 JSTスタートアップ・技術移転推進部産学連携プロモーショングループの河崎泰介調査役は「多くの大学から対面開催のニーズがあったため、実現できて本当に嬉しく思う。研究者同士や来場者が対面で交流し、新たな研究、共創のヒントを得てほしい」と語った。