日産自動車は16日、同社ナンバー2のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)が27日付で退社すると発表した。同日の定時株主総会で代表執行役と取締役を退任することを内定していた。「新たなキャリアを追求するため」としているが、移籍先は明らかにしていない。

 グプタ氏はインド出身で、2006年にルノーに入社、アライアンスの購買部門などを担当し、19年4月に三菱自動車の経営を再建するため、同社COOに就任した。しかし、親会社の日産のトップが報酬問題で辞任したのを受け、19年12月に日産のナンバー2となるCOOに就いた。

 日産の事業構造改革を主導し、収益の柱である北米や中国市場などで収益力強化を図ってきた。日産とルノーが今年2月に合意した出資比率を同等にする資本関係の見直しでも深く関与したが、交渉は想定外に長引いた。

 日産は「27日に新しい執行体制を発表する」としている。