シリコン系負極材料の性能曲線

 GSユアサは、シリコン系負極電池の高エネルギー密度化と長寿命化を両立する技術を開発した。1キログラム当たり400ワット時のエネルギー密度と、充放電300サイクル後でも85%の性能を維持していることを確認した。電池の高性能化につながる技術として早期の実用化を目指す。

 リチウムイオン電池の負極材料(活物質)は炭素系材料が主流だ。シリコン系の負極材料は資源量が豊富で理論上の容量が炭素系材料を上回る半面、寿命が短いなどの課題があった。

 同社は、活物質同士をつなぐ「バインダー」と電解液を改良することで、こうした課題の解決につながる技術を開発。新技術をもとに電池設計も最適化した。この結果、一般的なリチウムイオン電池(200~300ワット時/キログラム)を凌ぐ質量エネルギー密度と、200サイクル後で90%以上、300サイクル後でも85%のエネルギー密度を維持できることを確認した。

 シリコン系負極材料は、普及が見込まれる全固体電池にも適用可能な技術という。