新型車とヘリテージカーが一堂に会するイベント「オートモビルカウンシル2023」。8回目を迎えた今年は4月14日から3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された。日本メーカーやインポーターなどが出展する中、特に会場で目立ったのが「ヘリテージカー販売店」だ。出展企業数は42社とこれまでで最多となり、会場には販売店が持ち込んだ約90台の名車が並んだ。来場者から注目を集めていたヘリテージカー販売店の出品車両を紹介する。
日本を代表する名車の一つである日産自動車の初代「フェアレディZ」(S30系)。中でも希少性が高いのが、S20型エンジンを搭載した「フェアレディZ432」だ。ヴィンテージ宮田自動車(三重県川越町)が展示した1970年式の車両は、鮮やかな「サファリブラウン」のボディーカラーがひと際目を引いた。常に来場者が訪れている様子から、発売から半世紀以上経った今でも人気の高さをうかがわせた。
発売当時、前輪駆動車として世界最速をうたったシトロエン「SM」。クラシックシトロエン専門店であるアウトニーズ(京都市伏見区)が1971年式を出展していた。ヘッドライトからナンバープレートまでをガラスのカバーで覆った独特のデザインを採用するなど、今のモデルにはない個性的なフォルムが、多くの目を引き付けていた。
落ち着いたブルーのボディーカラーがヘリテージカーらしさを演出する1960年式のメルセデス・ベンツ「190SL」は、ヴィンテージカーVISCO(北九州市小倉北区)が展示した。内装はブラックレザーのシートとアイボリーのステアリングの組み合わせが特徴的で、スポーツカーながらメルセデス・ベンツらしい上品さを醸し出していた。
また、同イベントは車両展示だけではなく、即売会の側面も持つ。当日はフェラーリ「308GTS」(1979年式)が売約済みとなっていたほか、フェラーリ「ディーノ246GT」(1973年式)も商談が行われており、スポーツカーの人気が高かったようだ。