タナークの田中翔一朗CEOと東海理化の二之夕裕美社長(右)

 東海理化は5日、デジタルキー事業の拡大に向けた開発体制強化のため、クラウド事業の企画や開発を手がけるTanaakk(タナーク、田中翔一朗代表取締役CEO、東京都千代田区)に出資したと発表した。出資金額は約8千万円。東海理化の社用車管理システム「Bqey(ビーキー)」やレンタカー用アプリケーション「Uqey(ユーキー)」のサービス拡充のほか、デジタルキーを使ったSaaS(サービスとしてのソフトウエア)型商品の事業化につなげる。

 タナークは2013年設立で、ベトナムなど海外の拠点を中心に多数のソフトウエア人材を擁する。開発と運用の担当者が連携し、バグの修正や品質テストなどを自動化する「DevOps(デブオプス)」といった手法に強みを持ち、低コストで迅速な開発を実現する。両社は約1年前から協力関係にあり、システムの開発期間を従来の約3分の1に短縮するなどの効果があったという。

 東海理化のIT関連企業への出資は2例目。同社はソフトウエア分野では車載組み込みソフトを中心に開発してきたため、クラウド関連の知見は少ない。今回の出資により、こうした分野の最新技術を得て、30年度に新規事業の売り上げで150億円の達成を目指す。