東海理化は20日、同社のデジタルキー技術を活用したレンタカーの無人運営を可能にするシステムを開発したと発表した。まず、プロトタイプ版の提供を開始する。同社ではプロトタイプ版を導入したレンタカー事業者や利用者からのフィードバックを生かし、来年1月の正式サービス開始を目指して開発を続ける計画だ。

 同社の無人レンタカーシステムには、車両検索や予約、アプリ内決済、運転免許証の確認や貸渡証の発行、スマートフォンによる車の施解錠など、無人運営に必要な機能を搭載している。レンタカー事業者が車両情報をシステムに事前登録することで、利用者はアプリの地図上から複数の事業者の車両を検索・予約でき、鍵の受け渡しをすることなくレンタカーを利用できる。事業者は利用者の情報をクラウドで一元管理できるほか、発券機などを導入することなく安価に無人運営が可能になる。

 同社は2030年度までに新規事業の売り上げで150億円の達成を目指しており、本業で培ったデジタルキー技術をレンタカーにも展開していく。レンタカー事業者では省人化による業務効率化へのニーズが高い。ただ、経営体力に限りがある事業者も少なくなく、単独でシステム構築が難しい課題も抱えている。同社では都市部や観光地などレンタカー需要の高い地域の事業者をターゲットに採用を働きかけ、こうした課題解決につなげていく考えだ。