トヨタ自動車は30日、直営の電気自動車(EV)向け充電ステーション(ST)を2030年までに国内で100カ所整備すると発表した。まずは都内の商業施設に6月に設置し、25年までに東京、名古屋、大阪、福岡など大都市を中心に12カ所設置する。国内の自動車メーカーが商業施設などに直営の急速充電STを全国展開するのは初めて。高出力の充電ST網を自ら手がけることでEVの販売を後押しする。

 直営の充電STは、今夏開設予定の「東京ミッドタウン日比谷」(東京都千代田区)を皮切りに順次、設置していく。最大出力150キロワット以上の高出力タイプを置く。同日、レクサスの新型EV「RZ」発売に合わせて開始したEVオーナー向けサービス「レクサス・エレクトリファイド・プログラム(LEP)」で充電予約が可能となる。予約が入っていない時間帯はレクサス車以外の車両も利用できる。

 レクサスの全183店舗にも50キロワット以上の急速充電器を設置し、「電欠」の不安解消に向けて販売店のネットワークも活用する。LEPではまた、EV購入時に自宅の駐車場に設置する普通充電器と設置工事(約30万円)を無償で提供する。

 自動車メーカー直営の急速充電STは、米テスラが「スーパーチャージャー」で先行する。トヨタの直営充電STは国内限定で海外展開は現時点で計画していないという。LEPでは「基礎」「経路」「目的地」それぞれの充電網整備をトヨタ自らが後押しすることで、欧州や中国に後れをとる国内のEV普及につなげる考え。