トヨタ自動車は30日、レクサスの新型電気自動車(EV)「RZ450e」を発売したと発表した。レクサスとしてEVは2車種目で、EV専用モデルの市場投入は初めて。車両価格を880万円(消費税込み)からに設定。国の補助金を用いれば700万円台となり、同等クラスのレクサス車と比べても戦略的な価格とした。併せて、EVに関するユーザーの不安解消などを目的とした専用サービス「レクサス・エレクトリファイド・プログラム(LEP)」も導入。商品や付帯サービスの競争力向上で、EVで先行する輸入車勢を追撃する構えだ。

 新型RZにはベースグレードとなる「バージョンL」と、500台限定の「ファーストエディション」を設定した。バージョンLは経済産業省の「クリーンエネルギー車(CEV)の購入・インフラ補助金」を適用すると、85万円の補助金を受けられる。単純計算で、795万円で購入できる。例えば、同等のSUVのプラグインハイブリッド車(PHV)「RX450h+」は価格が871万円で、補助制度を考慮すると、RZが割安になる可能性がある。

 また、全国のレクサス店に出力50㌔㍗の急速充電器のネットワークを構築する計画。6月には商業施設の東京ミッドタウン日比谷(東京都千代田区)に、同150㌔㍗級の充電ステーションも設ける。EVユーザーは専用アプリケーションで予約ができ、高出力の急速充電器をスムーズに利用できるようにする。

 このほか、EVの使用方法に関する悩みなどの相談に乗るスタッフ「BEVコンシェルジュ」の全国のレクサス店への配置も始める。オーナーの自宅駐車場を対象に普通充電器本体と工事費を無償で設置する企画も実施する。一連のLEPの施策を通じて、EV購入に対するユーザーの心理的な不安を払しょくするとともに、EVならではの付加価値の高い体験機会の提供にも取り組み、販売増につなげる。

 RZのスペックは車体サイズが全長4805㍉㍍、全幅1895㍉㍍、全高1635㍉㍍。最大出力は前輪が150㌔㍗、後輪が80㌔㍗となっている。駆動用電池の容量は71・4㌔㍗時で、航続距離は494㌔㍍(WLTCモード)。急速充電規格はチャデモを採用した。