トヨタ自動車は26日、電気自動車(EV)「bZ4X」の販売を再開したと発表した。受注再開に伴い、サブスクリプション(定額利用)サービス「KINTO(キント)」の申込金を半額に、月額利用料金は1100円引き下げた。bZ4Xは5月の発売後、足まわりなどに不具合が見つかり、生産・販売を停止していた。販売再開を機にサブスク料金を引き下げ、巻き返しを図る。

 トヨタは、bZ4Xの国内販売をキントに限定している。同日から受け付ける新規注文については、申込金を従来の半額となる38万5千円、月額料金は4年目まで10万6700円(消費税込み)に設定した。最大利用期間は10年で、5年目以降は利用料金を段階的に引き下げる。国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)や、地方自治体からの補助金を利用する場合、月額利用料金がさらに減額できる。

 当初は5月12日にインターネットもしくは販売店を通じて申し込みを開始したが、これまでの出荷分はすべてディーラー向けの展示車や試乗車で、個人顧客には納車されていない。このため、すでに契約を申し込んだ顧客に対しても新たな料金体系を適用する。従来、法人向けはリースとして扱っていたが、法人もキントで申し込みできるようにもした。

 新規の受付分は、2023年1月下旬以降に順次、生産を開始する予定で、納車はその後1カ月程度をめどとしている。

 bZ4Xは、トヨタ初の量産EVとして国内外に投入したが、ホイールを取り付けるハブボルトが急旋回や急制動時に緩む可能性があるとして発売後わずか1カ月で販売を止めた。原因の一つだったハブボルトは「レクサス」の一部車種で採用していたが、bZ4Xの場合、モーター特有の高トルクによって「ハブボルトを押さえつける力が十分ではなかった」(前田昌彦副社長)ことに加え、ホイールの品質にも問題があった。原因の究明と対策に3カ月以上かかり、10月6日に国土交通省へ改善対策を届け出るとともに、同日から生産を開始していた。