第44回「バンコク国際モーターショー」が開催中だ。最近は電動シフトを背景に中国自動車メーカーを中心に電気自動車(EV)の展示が目立つ。一方、生産・販売シェアで圧倒する日本勢は、多様な顧客ニーズに合わせ、ガソリン車やハイブリッド車(HV)、EVなど多様な車種を展示している。
トヨタ自動車は、燃料電池車(FCV)、EV、HVのコンセプトモデルを展示。EVは、小型ピックアップトラック「ハイラックスレボ」をベースとした「ハイラックスレボBEV」のプロトタイプを披露した。2022年12月に開かれたトヨタ・モーター・タイランド(タイトヨタ)の60周年式典で披露したもの。HVは5代目「プリウス」でタイでは初披露となる。
水素関連では、FCV版の「カローラクロス」のコンセプトモデルを初展示した。1・6㍑ターボ3気筒エンジンを搭載している。高圧水素噴射システムにより、燃料補給にかかる時間はガソリン車と同等という。
EVでは、マツダも「MX―30」のEVモデルを展示している。
ホンダは、タイで発表した新型「CR―V」や新型「シビック・タイプR」のほか、既存のHVをブースに並べた。新型CR―Vはアジア太平洋地域でタイが初投入となる。
三菱自動車は、ピックアップトラックの新型「トライトン」のコンセプトカーとして「ミツビシXRTコンセプト」を出展した。
スズキは、タイで発売している「セレリオ」や「スイフト」の特別仕様車など、計19台をブースに並べた。
今回のショーでは、中国から出展している長城汽車(GWM)や上海汽車、合衆新能源汽車傘下の哪吒汽車(NETA)といった中国勢も意欲的だ。出展関係者は「現地では中国メーカーが大きくブースを構えていて『日本勢が押され気味』という話も聞いている」と話す。今回、出展している中国メーカー3社はいずれもタイでEVを発売しており、GWMは「オラグッドキャット」、上海汽車は「MG」ブランドでミニバンのEV「マクサス9」などを展示している。
(2023/3/28 再修正)