名古屋大学大学院工学研究科教授 一般社団法人 日本交通科学学会 理事 水野幸治

シートベルトによる乗員の拘束はベルトの張力によってなされます。衝突時にシートベルトには大きな張力が加わりますが、その力に耐えられるのは骨格のみであり、ショルダーベルトが鎖骨から胸骨を通り、ラップベルトが骨盤に掛かる必要があります。衝突時の乗員拘束ではまず腰部の運動を止める必要があり、ラップベルトは乗員拘束で基礎となるものです。骨盤前縁には上前腸骨…