クレアーレ「BUSOUキャラバンプレミアムラインver.2」
シーアールエス「CRSアウトギア」
ニーズ札幌「ニーズボックスNV―タイプ3」
オグショー「オグショーESタフスペックコンセプト」
ARJ「ARJスタイル」
ブリング「ボディーラインBL+Bライトキャンパー」
ボクシー「ランガンギア」
日産が自社で企画した「マイルームコンセプト」

 日産自動車が「キャラバン」で個人ユーザーの獲得に向けた活動に本腰を入れ始めた。グレード別の販売構成をみると法人ユーザーが主体の量販価格帯が3割を占める一方、個人ユーザーが多い上級グレードは1割台にとどまっている。個人ユーザーを増やせばオプション品の装着率も増えるとみられ、メーカーだけでなく、ディーラーの収益拡大にもつながる。新型コロナウイルス感染拡大を契機に盛り上がりを見せるアウトドアレジャーブームも追い風になる可能性は高い。久しく存在感を示せていなかった小型キャブオーバーバン市場で巻き返せるか、注目が集まっている。

 日産は、カスタマイズショップとのタイアップを進めているほか、アウトドア系イベントへの出展を加速している。個人ユーザーが関心を持つ分野に積極的に出向くことで、キャラバンの露出を増やすためだ。ディーラーの店頭で商用タイプがメインとなるキャラバンを見かける機会は多くない。このため、まずはキャラバンの商品力やカスタマイズにおける発展性を数多くのユーザーに周知することで、購入を検討する顧客を一人でも多く増やしていく狙いだ。

 日産では勝算が十分にあるとみている。小型キャブオーバーバン市場の年間販売台数は10万台程度の規模で推移している。商用タイプが主軸となっているのは間違いないが、ここ数年の傾向をみると、上級グレードの販売が増加傾向にある。日産によると18年度に3万台半ばだった上級グレードの市場は20年度に4万台以上に拡大しており、こうした動きを確認する。

 キャブオーバーバンのユーザーを対象に、使用用途を調べた同社の調査(複数回答あり)でも「キャンプ・バーベキュー」が18年度の37%から20年度は44%に増加。「サーフィンなどのスポーツ」は25%から38%に増えている。こうしたアウトドア志向の高まりからも、上級グレードを求めるユーザーが増えていくことが推察できる。日産ではこの勢いにキャラバンをのせ、個人ユーザーの割合を高めていく考えだ。

 対策は着実に打っている。昨年10月にキャラバンのガソリン車を一部改良。先進運転支援システムを標準搭載したほか、内外装の意匠変更や機能を高めた。モデルライフが長くなっているキャラバンにしては、思い切った商品のテコ入れを行った格好だ。今年4月下旬には、エンジンを刷新したディーゼル車の投入も決まっている。商品競争力をアップしたことで、個人ユーザーの獲得につながる土台を整えた。

 その上で、個人需要の開拓に力を注ぐ。この一つがカスタマイズショップとのタイアップだ。新型キャラバンの発売に合わせ「オグショー」や「ジャオス」「クレアーレ」など、有力カスタマイズショップ8社がキャラバン専用パーツを開発。これらを装着したカスタム車を製作した。日産は好みのモデルを投票するキャンペーンを3月中旬まで実施。最も多く得票数を得たモデルを抽選でプレゼントすることで、ターゲットとする個人ユーザーの認知拡大を狙う。

 キャンペーンに参加したカスタマイズカーのコンセプトはさまざま。例えば「ボクシー」が手がけたモデルは、移動しながら魚を釣る〝ランガン〟スタイルの釣り人向けの装備を備えた仕様となっている。跳ね上げ式ベッドも搭載し、釣りの合間にくつろげる設計も目を引いた。「ジャオス」はキャラバン専用のフラットラックを開発。アウトドアなどでの利便性とデザイン性を両立したコンセプト車を提案していた。日産独自でも用品類やコンセプト車を製作しているものの、バラエティーに富んだ専門ショップとの協業によって自社だけでは対応が難しい多様化する顧客のニーズに応えていく。

 このほか、日産は各地のショッピングモールなどで開かれている車両展示イベントでも、キャラバンの車中泊仕様車の訴求を積極化している。ネット配信番組とタッグを組んで、キャラバンをクローズアップした企画も昨年12月から開始した。リアル、オンラインともに露出を増やすことで、個人ユーザーにキャラバンの魅力を訴えていく考えだ。

(水鳥 友哉)