自動車事故対策機構(ナスバ、濱隆司理事長)は18日、交通事故被害者の家族らの 絵画作品を表彰する令和3年度「『NASVA(ナスバ)交通遺児友の会』絵画コンテスト」の優秀作品を発表した。ナスバは被害者家族の支援の一環として絵画や写真、書道の作品コンテストを定期開催している。44回目となった今回は「私の好きな〇〇〇」を課題に、家族や動物、景色など身近なものを描いた絵画を募集。224点の応募作の中から国土交通大臣賞をはじめとした各賞を選定した。
審査委員を務めた佐藤孝志氏(ふなばし美術学院副学院長)は「興味深い良い作品が沢山あり選ぶのが難しかった。その中から各団体の理事をはじめ代表者による投票で優秀賞を決定するという緊張感のあるものになった」と選考の様子を示した。
佐藤氏は優秀作品について①最優秀賞の「5段跳べたよ」は、最終選考に残った作品の中でも跳び箱を元気に飛べた様子を画面の真ん中に力強く描いていて一番インパクトがあった
②「ヒマワリ」は緑豊かな色調とひまわりの黄色と吹き流しが夏の七夕を思い出させる印象的な絵
③「夢のピアノ」は大好きなピアノから夢と希望が溢れる美しい絵
④「桜島と不死鳥」は、画家の山下清の代表作「桜島」に感銘を受けた作品で、細かく刻んだ色紙や千代紙を貼り付けた描写に審査員の関心が集まった
⑤「私の宝物」は、赤ちゃんを抱く人をシンプルに描き、人物のシルエットや白と緑のストライプの洋服の描き方など絵画的に優れた表現
-とそれぞれ講評した。
さらに「今回のコンテストはコロナ禍での開催となった。いまだ終わりが見えないにも関わらず多くの作品が集まり、みなさんの絵から多くのパワーをいただいた」と感謝を述べた。
ナスバは、交通遺児等に生活資金を無利子で貸付ける支援を行うとともに、健全な育成を推進するため友の会を設置している。こうした活動と併せて、今後もコンテストなどを通じて事故被害者らの思いを発信し、交通事故防止の徹底を広く呼び掛かけていく。