三菱ふそうトラック・バスは24日、北海道で電気自動車(EV)の小型トラック「eキャンター」を用いた配送業務の実証を2022年1月から開始すると発表した。生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長、札幌市西区)が札幌市内で行っている配送業務に電気トラックを活用し、実走行距離や充電時間、バッテリー消費電力などのデータ測定を行う。一般的にEVのバッテリーは寒冷地だと能力が低下して航続距離などに影響が及ぶが、配送業務の実証を通じ電気トラックの実用性を検証する。

 eキャンターによる実証を北海道で行うのは初めて。コープさっぽろは三菱ふそうから供給される電気トラックを主に札幌市内の市街地での配送業務で活用する。車両は寒冷地向けに大幅な改良を行わず、他の地域に導入しているモデルと同様の仕様とする。コープさっぽろは、電気トラックの活用で宅配業務における二酸化炭素(CO2)削減を推進する。

 eキャンターは世界初の量産電気トラックとして17年に登場した。13・5㌔㍗時のリチウムイオンバッテリーパックを6個搭載し、航続距離は約100㌔㍍。日本を中心に米国や欧州など全世界で300台が稼働しており、累計航続距離は400万㌔㍍に達する。