日野自動車とヤマト運輸は22日、日野が開発した小型電気トラック「デュトロZ EV」を使用した集配業務の実証実験を24日に開始すると発表した。東京都日野市と埼玉県狭山市のヤマトの物流センターにそれぞれ電気トラック1台を導入し、ドライバーの使い勝手を検証する。実証期間は約6カ月。日野は実証実験の成果を踏まえ、装備やオプションを見直し、2022年初夏に同モデルを発売する。

 デュトロZ EVは、日野が独自に開発した電気トラック。乗降性や車室内の移動のしやすさを考慮し、専用の前輪駆動プラットフォームを採用したことで、低床のウォークスルー仕様を実現したことが特徴だ。床面地上高は通常の小型トラックと比べて半分程度の400㍉㍍とした。

 電池は走行距離が短い小型トラック用に40㌔㍗時の小容量バッテリーを搭載する。航続距離は、エアコンの使用などを踏まえた実走行時でも100㌔㍍以上を走行できるという。ヤマトの場合、小型トラックの1日当たりの平均利用距離は60㌔㍍前後のため、営業時間内に充電することなく使用可能だ。急速充電にも対応しているものの、6・6㌔㍗の普通充電でも5~6時間で充電できるため、インフラコストを抑えた上で、夜間に十分なバッテリー残量まで充電できる。価格は非公表。

 発売までの期間は長くないものの、ドアのストッパーなどの細部の仕様を実証実験で詰める。開発責任者の東野和幸チーフエンジニアは「実証実験で新たな知見を取り入れ、より使い勝手の良い車両にしたい」としている。