需要に応じて柔軟に料金を変動

 国土交通省は、乗車を希望する人の多寡などに応じて乗車前に確定するタクシー運賃を変動可能にする「事前確定型変動運賃」の実証実験をスタートした。実験は参加2社のうち、まず11日から配車アプリ大手のモビリティテクノロジーズ(東京都港区)が都内でタクシー5事業者と実施。19日にはウーバージャパン(同)も12事業者と開始する。国交省はこれらを通じて課題を抽出し、制度化の検討に役立てる。

 事前確定型変動運賃は、これまで一律だった運賃を天候やイベント開催などにともなうタクシー需要の変化にあわせて、各社が任意に変動可能とする制度。配車アプリを通じて、乗客のタクシー乗車前に運賃を確定し明朗性を保つ。「流し営業」には適用しない。

 変動幅は、公定幅の下限から1割引きした額(初乗り351円)と上限から2割増しした額(同504円)の範囲。変動後運賃の平均単価が公定幅の範囲内(390~420円)に収まることを条件とする。深夜割増や障害者割引を別途付加できる。

 モビリティテクノロジーズは11月30日まで23区および武蔵野市、三鷹市をエリアに約8100台の車両で試す。ウーバージャパンは12月13日まで約1千台で北区と板橋区、練馬区を除く東京都特別区で実験する。