スバルが3日に発表した2021年4~6月期の営業利益は295億円だった。前期は156億円の赤字だった。米国市場の需要回復を背景とした販売台数の増加で収益が改善した。一方、半導体不足による生産影響を踏まえ、22年3月期通期の世界販売計画は4万台少ない96万台に下方修正した。想定為替レートの見直しや販売奨励金の抑制などで売上高や利益の見通しは据え置いた。

 4~6月期の連結販売台数は前年同期比31・7%増の17万5千台だった。国内は「レヴォーグ」が好調で同29・5%増の2万4千台となり、米国は同28・0%増の11万6千台に伸びた。ただ、4~6月の3カ月間に半導体不足による6万台分の影響が生じ、「在庫があればもっと売れていた」(水間克之取締役専務執行役員最高財務責任者)と販売機会を損失。7月に入っても稼働への影響は続いているが、下期には一部を挽回し、通期では差し引き4万台分の影響が出る見通し。

 4~6月期は原材料価格の高騰などが収益を圧迫したものの、米国を中心とする販売増加や奨励金、研究開発費の抑制などで営業利益が増加。一方、コロナ前の19年4~6月期の営業利益(922億円)と比べると約3分の1の水準にとどまった。