スバルが11日に発表した2021年3月期通期連結業績は、2期ぶりの減収減益となった。世界販売台数は第2四半期(7~9月期)以降、北米市場を中心に回復基調に入ったが、21年初めからの半導体供給不足の影響を受け、5年ぶりに100万台を割り込んだ。ただ、22年3月期通期の連結販売は北米を中心に回復を見込み、新型コロナウイルス禍前と同水準の100万台を計画する。
世界販売実績は前年同期比16・8%減の86万台となった。国内は10万2千台、米国は61万2千台。販売管理費の圧縮や保証修理費の減少により諸経費などが減少したが、販売台数の減少が響き営業利益は同51・3%減となった。
22年3月期業績見通しは、売上高が同16・6%増、営業利益が同95・2%増と2期ぶりの増収増益を予想する。販売台数は100万台を計画し、コロナ禍前の20年3月期(103万3千台)と同レベルにまで回復する見込み。生産台数も103万台を想定する。
11日の決算会見で、中村知美社長は「主力の米国や日本で旺盛な需要が戻ってきており、年度を通じて挽回していく」と述べ、足元の半導体不足影響からの早期回復を目指す考えを示した。