計画台数の確保が難しい状況はしばらく続きそうだ(写真はイメージ)

 世界的な半導体不足による国内自動車生産への影響が深刻化している。マツダやスズキなどが7月に国内工場の稼働を一部停止するほか、三菱自動車も減産する。日本の自動車メーカーの多くは半導体不足が上期(4~9月期)の自動車生産に影響すると予想しており、実際に表面化してきた。半導体確保に奔走するスズキは車載半導体の不足に加えて、電子部品の調達にも影響が及んでおり「予断を許さない」(同社)。半導体の供給が正常化する見通しは立っていない状況で、自動車各社は当面、綱渡りの生産計画を強いられる見通しだ。

 スズキは25日に開催した定時株主総会で、7月の生産台数が当初計画と比べて80%レベルになると明らかにした。6月上旬の段階では70%代半ばを想定していたが、生産機種の入れ替えや、サプライヤーの半導体調達を支援するなどして「1千、2千台と少しずつ生産を積み上げている」(本田治代表取締役技監)という。

 生産・販売・技術の各担当役員・本部長で構成する鈴木俊宏社長直轄のチームが中心となって、半導体の調達状況を把握するとともに、生産計画の調整や半導体を確保する対応策を検討・実行しているという。電動化や電子化で今後も車載半導体の搭載数が増えることから、長期的な対策についても検討していく。

 マツダはこれまでも半導体不足で国内生産拠点を減産してきたが、7月は稼働を一時停止する。半導体不足を理由に稼働を止めるのは今回が初めてとなる。マツダは今期の半導体不足による減産影響として7万台を見込んでいるが、今回の稼働停止は、想定に含まれているという。7月にはダイハツ工業は2日間、スバルは1日、それぞれ操業を止める計画だ。

 稼働停止せずに生産スピードを落として減産するメーカーもある。三菱自は6月に続いて7月も生産調整を続ける見通し。関係者によると7月の減産規模は約2万台。5月の決算発表時に半導体不足で上期を中心に8万台の減産影響があると想定しており、下期にかけてその半分を挽回する計画だ。

 半導体をめぐっては世界的に需給がひっ迫しているが、国内ではルネサスエレクトロニクスの工場火災が供給不足に追い打ちをかけた。同社は25日、那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産能力が火災発生前の水準に回復したと発表した。出荷が火災前の水準に戻るのは7月第3週目頃の見通し。当初の復旧スケジュールよりも遅れており、今期の自動車メーカーの国内生産への影響が懸念される。